
部屋の壁に何かを取り付ける際、カレンダーの様な軽いものでしたら、画鋲を使うかきれいにはがせる両面テープがついた壁用のフック金物を使うことが多いのではないでしょうか
ネットショップやホームセンター、文房具店や100円均一ショップなんかで気軽に入手できます
少し重めの掛け時計、ウォールハンガーなどある程度荷重がかかるものはどうでしょうか
木の柱や壁につける時は木ネジで対応できます(製品に附属品としてついていることもよくありますね)
壁紙の裏が石膏ボードになっている場合は、
石膏ボード用の中空アンカー、通常「ボードアンカー」と呼ばれるものが簡単でおすすめです
団地・マンションでは壁のコンクリートの壁も多くあり、その場合は
「コンクリートアンカー」 を使用することが耐震と落下防止の意味で必要となるケースがあります
本記事は取付け物をコンクリートの壁へ固定する「コンクリートアンカー」についてになります
「コンクリートアンカー」にはとてもたくさんの種類があり
今回実際に使用したのは『AYプラグ』と呼ばれるものです
メーカーによって「AYプラグボルト」「AYボルトプラグ」「オールアンカーASタイプ」
などの商品名があるようです
ホームセンターなどで簡単に手に入り、取付けの強度も強く、使い方も簡単なのでDIY利用におすすめです
AYプラグとは

AYプラグ はコンクリートアンカーの一種で、コンクリート壁などを作る前のセメント・骨材にあらかじめ埋め込んだアンカーと違い、すでにできあがったコンクリートにあとから施工するタイプのアンカーを「あと施工アンカー」と言ったりします
あと施工アンカーには金属系アンカーと接着系アンカーと大きく二つに分かれます
さらに形状や施工方式が色々あり、その中でも内部のテーパー状コーンナットと呼ばれるものにボルトを締めこんで、コーンナットの外側のスリーブが広がることで、穴の中のコンクリートとの摩擦力を大きくしてアンカーが抜けなくなる(アンカーが効くということです)方式のアンカーの一つに
『AYプラグ』というものがあります
アンカーは
AYプラグはM4・M5・M6・M8・M10・M12は金物屋さんやホームセンターなどでは、だいたいどこの店でも取り扱いしていると思います
店で見つけられなかったら店員さんに問い合わせてみてください

AYプラグの使い方
コンクリート壁に穴をあけます
土壁、木製壁、石膏ボード、ブロック塀、ALC壁、外壁材の壁への施工はあてはまりません
アンカーの施工手順は
- 製品ごとに定められた穿孔径・深さを守り、製品の説明書をよく読んで穴をあける
- あけ終わったら穴の中の粉塵をブロア又は集塵機できれいに掃除を行う
- AYプラグを穴の中に挿入
- 穴に入ったら深さを確認 特に浅すぎるとスリーブがはみ出てしまう
- ボルトを適切なトルクで締め付ける(内部のスリーブが開く)
- ボルトを緩め一旦取り外す
- 取付けたい金物などの穴にボルトを入れてしっかりと(適切なトルクで)締め付ける
- 完了(ぐらつきがないかしっかりとついているか確認)








要するに、AYプラグは穴をあけ締め付けるだけ
専用打ち込み棒などのメーカー指定の工具を使わなくてもいいのです
大切なことはドリル径と穿孔深さ
これはきっちり取り付けるものが緩んだりしないように商品の袋や箱に記載している説明文をよく読んでください
各サイズごとの仕様はこんな感じです
使用ビス | 外筒寸法 | ドリル径 | 穿孔深さ | 引張強度 | |
M4 | M4×25 | 7.0 | 7.5 | 25 | 2.6~3.2 |
M5 | M5×30 | 8.0 | 8.5 | 30 | 4.3~5.1 |
M6 | M6×25 | 10.5 | 11.0 | 40 | 6.5~7.7 |
M8 | M8×25 | 13.5 | 14.0 | 45 | 10.3~12.4 |
M10 | M10×25 | 17.5 | 18.0 | 50 | 16.1~18.9 |
M12 | M12×60 | 19.2 | 20.0 | 60 | 17.6~18.9 |
穴あける時の注意点
AYプラグボルトはあけた穴の内側に筒(スリーブ)が押され摩擦によって強度を保持するタイプなので
穴が少々深く掘っても効果は変わりませんが浅すぎると壁などの躯体からアンカーがはみ出たり
必要な部分以外を掘りすぎてしまったりするため、メーカーが指定する穴の大きさ・深さをきちんと守って施工する必要があります
ドリル径はそのアンカー指定の大きさを使いましょう
穴をあける深さ(穿孔深さ)はドリルの刃先に目立つ色のテープを巻いたり、マジックで印を書いておくと浅かったり深く開けすぎたりなどの失敗を避けることができます
マーキング-IMG20210405233258-コピー-1024x618.jpg)
短い動画ですが下にAYプラグの動画がありますので
↑参考されたい方は見てみてください
動画内ではボルトにはワッシャ(平座金)を使っています
ワッシャは取付け物の穴径が大きすぎてもワッシャの面積全体で押さえつけることができますし、
取付け物を傷つけにくいことと、さらにAYプラグを使う時には
穴を少し深くあけすぎてしまったときに、締め付ける時にボルト(ビス)が壁などに潜ってしまうことを避けるメリットもありますので、基本的にはワッシャは使用するのが望ましいと思います
粉塵の掃除が大切です
穴をあけた後にコンクリートのかすを取り除くことがとても重要です
これをさぼると強度がちゃんと出ません
穴をあけた後は集塵機で吸い取るか、ブロワーで粉を吹き飛ばして穴の中をきれいにする必要があるのですが
ブロワー(カメラマンがカメラのレンズに「シュッシュ !!」と吹き付けるヤツに似たものです)
(アンカー専用のものが売っています)など持っていないので

掃除機の先に 蛍光ペンの外筒を食品用ラップで巻きつけて粉塵を吸い出しました

AYプラグを使うことでの その他のメリット

AYプラグは簡単に抜けます
コンクリートアンカー 簡単に抜けてはマズイでしょうと思われたら、表現が悪かったでしょうか?
物が取り付いている時はしっかりと締めておけば強度の高いアンカーなので
心配はありません
- 取付けた棚を模様替えしたいので取り外したい
- 引っ越しするので取り外して壁や床を穴を埋めて修復したい
そんな場合にもAYプラグは他のアンカーに比べて
とても抜きやすいのです
「心棒打ち込みアンカー」などはとても安価ですが抜く時は結構苦労します
さらに、「スリーブ打ち込みアンカー」なんかは専用のアンカー抜き工具を使うかコンクリートの周りを斫るとかしないとなかなか抜くことは難しいと思います
- その点AYプラグは簡単に抜けます
『AYプラグのぬきかた』の動画があります
↑こちらも参考に御覧になってください
どうでしょうか とても簡単に抜けることがおわかりになると思います
抜いた後は腕を振るってセメントや石膏を使ってきれいに穴埋めをしてくださいね
AYプラグのデメリット
AYプラグの使いやすさについて述べてきましたが
AYプラグのデメリットについてはどうでしょうか
- 穴をあける大きさ(ドリル径)が他のアンカーに比べて大きい
・値段が他のアンカーに比べて高い
DIYではできるだけ費用を抑えたいところですが
芯棒打ち込み式アンカーや内部コーン打込式みアンカーに比べると2~5倍高い価格で売られています
たくさんアンカーを打つ時はかなり痛いです
・穴をあける大きさ(ドリル径)が他のアンカーに比べて大きい
外筒スリーブの大きさ+αのドリル径を使うので
他のアンカーに比べてどうしてもドリル刃のサイズは大きめを使うことになります
芯棒打ち込みアンカーなんかは使うアンカーサイズのボルト径よりほんのちょっと大きいサイズのドリル刃でいいので
それに比べるとAYプラグで使用するドリル刃は確実に大きくなります
これに関してもたくさん打つ時は労力の負担が格段に大きくなってしまいます
例えばAYプラグのM5のドリル径は8.5㎜ですが
芯棒打ち込みアンカーでは8.5㎜のドリル錐で
なんと、M8サイズの芯棒打ち込みアンカーが打ててしまいます
まとめ
- DIYにおすすめな『AYプラグ』とは金属系アンカーの内のコーンナット締め付け式タイプの一つ
- サイズはM4~M12ぐらいまでそろっている
- ホームセンターなどで簡単に手に入る
- 『AYプラグ』はコンクリート壁用(天井・床も使えます)
- 引き抜き強度は意外と強い
- 使用方法は決まったサイズの穴をあけ、締めるだけ
- 穴の中の粉塵の掃除が重要
- アンカーを取り外したい時に簡単に抜くことができる
- 『AYプラグ』は少し高い
- 『AYプラグ』はドリルの径が少し大きい
いかがでしょうか
DIYといっても規模はそれぞれでしょうから、取付ける物の大きさや重さ・取付く躯体の状態・数量・予算などで最適なアンカーを選ぶ必要があります
ちょこっとしたものを取り付けるようなDIYでしたらAYプラグが使いやすいので
私はAYプラグをいつも使ってます
DIYにはとても使いやすいアンカーなのでぜひ試してみてください
AYプラグの使い方でした
他のアンカーも使ってよかったものがあればレビューしてみようかと思います
最後まで読んでいただきありがとうございました
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